ワタクシにとって「オンナ」というのはそこら辺に転がっているようなものでした。


考えてみれば父の手ばかりを見ていた気がします。
気がつけば刃物や鉄砲ばかりを手にしていたような気がします。

ワタクシには兄のようなものが一人、弟のようなものが一人おりました。
他にも数多くの兄弟がいたようですが少なくともワタクシは一切覚えておりません。やはりその辺に転がっていたからです。


兄のようなものは父から与えられたオンナとまぐわっておりました。
気がつけば弟のようなものもどこからかオンナを持ってきてまぐわっておりました。

ワタクシはそのうち与えられるだろうと思ってひたすら戦闘の術を打ち込んでおりました。
正直、そちらの方が楽しいとも思っていたのです。
特にまぐわいについても否定もしませんでしたが。

その折りに少し外出した際の山の中腹部。普段ならワタクシも来ないようなところにてオンナを発見したのです。


有り体に言って死にかけでした。腹に穴も空いて間もなく肉の塊になるでしょうと。
虫もたかりこれとまぐわっては病気になるだろう、学の乏しいワタクシにもそれが分かるぐらい弱っていました。
けれどもしかし、ワタクシはそれに興味を抱きました。弟が先にまぐわっていたのでちょっとばかり焦りだったのかも知れません。
少しは触れてみようかと手を伸ばしておりました。

ワタクシの顔を見るや何かを乱したのか、その伸ばした手を握ってきたのです。
彼女は手すら動かす体力も無いはずであろうのにワタクシの頭を抱きすくめたのです。
包みこまれる感触、あの時の心は今までに無い不思議な温もりでした。ストーブでも入浴でも得られる心の温もりでした。



それから数日。ワタクシは何度も思い返しました。不思議と心を奪われたのです。


そして父から、兄のようなものと同様に女を渡されました。
しかし、ワタクシは数日前と違いそれとまぐわおうという気持ちが湧きませんでした。
なんというか、それは嫌悪の感情だったのです。



ワタクシは抱けと強制した父と対立しました。
そして事情を話した後に「処分」という言葉の下に刃を向けた父へ、ワタクシがその刃を突き立て返しました。
正直、ワタクシ自身が一番驚いてました。
最後に力を後押ししたのはその彼女をもう一度見たかった気持ちだったのです。そのままで死にたくはなかったのです。

山を下りる際、彼女の身体は土に埋めました。
その時に「弔う」という概念は無かったのですが、彼女の身体を他に見せたくはなかったのです。
だから埋めていきました。


ワタクシには今、兄弟のようなものらが何をしているのかは知りません。
少なからず父の死は知っているでしょう。そのうちワタクシを殺しに来るかも知れません。
その時は抵抗致しましょう。




そしてワタクシは、「強い子というのは、母が必要なのだ」と、今までのこと一切を改めました。
子供を作っても男の手だけでは弱いだけです。
女の手も混ぜて育ってこそ最強へとなっていくのです。





それを見つけるのがワタクシの役目だと悟りました。
だがしかし、人の多い社会に降り立ったものの、ワタクシには人の触れ合い方が分かりませんでした。
女を探すも拒絶されてあちこちを転々としました。


そしたらワタクシは白い髪の女と出会ったのです。ワタクシを退治しに来たのです。
ワタクシはボコボコにされました。その拳は振り回された鉄球よりはるかに重く、その動きは野生の何よりも素早く。
父兄弟以外での初の敗北でした。



目が覚めたらその女のいた組織へと運ばれておりました。
その後、そこを統べていたであろう女性が現れワタクシをその組織に置いてくれました。
新しい環境はワタクシに様々な知識を与えました。
女と出会うには「紳士」である必要があるということや金がいることや。



今は紳士を目指しております。
ワタクシをボコボコにした女性の下につきまして、その女性もまたたまに資料を渡してくれます。
女性を孕ませるにはこのような手段を取ればいい、あれを取ってはダメだというのがよく分かります。





これからは強い女性を探しましょう。ワタクシ程度に強くそれでいて優しく。
子を孕んでもらい最強の次の子を作りましょう。





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